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プライムソトワール(味へのこだわり) 料理・洋菓子のレシピ スペシャルインタビュー ソトワールコンシェル 出版図書紹介 フランス料理:用語集 食の雑学事典
2005年7月1日、東京・汐留にオープンした「コンラッド東京」。コンラッドはヒルトングループの最高級ブランドで、創始者「コンラッド・ヒルトン」にその名が由来している。バンコクや香港などの最高級ホテルとしてもその名は知られる。今回は開業してもうすぐ1年を迎える「コンラッド東京」総料理長 フレディ・シュミッド氏から、氏の料理哲学と、ゲストや東京のレストラン事情の印象についてお話をお聞きしました。
前野 コンラッド東京が開業してもうすぐ一年を迎えますが、現在各レストランを利用されるお客様の嗜好とその印象については如何でしょうか。
シュミッド 私達のレストランをご利用されるお客様は、様々な業界で活躍する日本人の方が多く、「食べる」ことを通じてコンラッド東京を体感されるのをとても楽しんでいらっしゃいます。皆様、料理の質の良さをよく理解されており、私はとても良い印象を持っています。
前野 フレディ・シュミッド料理長の料理作りの哲学と、コンラッド東京の料理をどのように表現しゲストに伝えていきたいとお考えでしょうか。
シュミッド 私の料理作りの哲学は、「自分がが好きなことを仕事にすれば、自ずと仕事にプライドを持てる」です。ロンドンのミシュラン3つ星シェフ、ゴードン・ラムゼイによるモダンフレンチ「ゴードン・ラムゼイ at コンラッド東京」とブラッセリー「セリーズ by ゴードン・ラムゼイ」は多方面にわたる料理を提供しており、オープンキッチンや、コンセプトの異なったファインダイニングとオールデイダイニングをお楽しみいただけます。
また中国料理「チャイナブルー」では広東料理をベースとしたモダンチャイニーズを提供しており、新しい中国料理をお楽しみいただけます。日本料理「風花」では“センス・オブ・プレイス”が懐石、鮨、鉄板の3つのテーマに活かされています。
私は、春夏秋冬それぞれの季節に応じて、良質で新鮮な素材を使いながらコンラッド東京の料理を表現していきたいと考えております。そして、お客様に私たちの最新のプレゼンテーション、レシピ、そしてサービスをお楽しみいただければと思います。
前野 フレディ・シュミッド料理長から見て、東京のレストラン事情(外食産業全般)をどのように捉えていますでしょうか。また、日本に来日されて特に印象に残ったレストラン(ジャンルは問わず)はありますか。
シュミッド 東京という街は、数々の著名なシェフがレベルの高い料理、サービス、ノウハウを提供しているとても多様な街だと捉えています。六本木にある「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」はカジュアルさとスマートさが上手く融合されており、特に印象に残っています。また、白金台にある、モダンでスタイリッシュな「リストランテ・ルクソール」も素晴しいレストランだと思っています。
前野 日本人の料理人(コンラッド東京を含めて)に対する技術面や料理作りの発想も含めた印象は如何でしょうか。それと、将来グランシェフをめざす若き料理人達へのメッセージをお願いします。
シュミッド 日本人の料理人は盛り付けがとても洗練されていて、いつも品質の高さを維持しています。そして、彼らの料理技術はとても高く、料理人という職業に大変誇りを持っているのを感じます。若い料理人達に対しては、とにかく食に対して情熱を持つこと、そして一生懸命働いて料理の基礎を身に付ける意思があることが大切です。決して独自性やモチベーションを見失わず、自分自身を信じてください。そうすれば、あなたはチームの中で成長し、次のレベルへと進めるはずです。
前野 お忙しい中、貴重なお話を頂きありがとうございました。今後のご活躍を期待しております。
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コンラッド東京
ゴードン・ラムゼイ at コンラッド東京
ミシュランのレストラン評価において、自身が経営するレストランで合計七ツ星を保持するロンドンの伝説的シェフ、ゴードン・ラムゼイが手がけるファインダイニング。ラムゼイ氏の料理は、アジアでは唯一ここでだけ堪能できる。高層ビルが目の前に広がる開放的な空間とオープンキッチンに近い“シェフズ・テーブル”を用意している。
風花
懐石、鮨、鉄板焼き、個室の各エリアからなる日本料理のレストラン。日本各地の伝統的な料理に、現代的なアレンジを加えた新しいコラボレーションが楽しめる。墨絵をモチーフに、蔵をモダンに表現したインテリア。窓越しに浜離宮恩賜庭園が望める。
セリーズ by ゴードン・ラムゼイ
ミシュラン三ツ星に輝くロンドンの伝説シェフ、ゴードン・ラムゼイ氏 が手がけるブラッセリー。バラエティー豊かなコンフォートフードの数々をブレックファースト、ランチ、ディナーにて提供している。
チャイナブルー
洗練された広東料理の数々が斬新なプレゼンテーションで提供される。高さ8メートルのワイン・セラーは圧巻。
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Profile
1957年、フランス アルザス サント・マリー・オーミーンに生まれる。1971年、14歳の若さで、地元の4ッ星ホテルにおいて、料理の道に足を踏み入れる。同ホテルでの4年間に渡る修行を終わらせると同時にホテルスクールを卒業。その後10年間、ヨーロッパ各地の一流ホテルやレストランにて経験を積む。1991年、オテル・ドゥ・ミクニの三國清三氏より、「エクセレント・コースト・ホテル(横浜)」の総料理長に任命され来日。2年間の日本滞在中には、故郷アルザスの料理への思いを綴った『アルザスからの味の旅路(中央公論社)』を出版している。
1994年、ミュンヘンにフレンチレストラン「ル・フィガロ」を開業。その後、香港のエクセルシオール・ホテル、シンガポールのラッフルズ・ホテル、ザ・オリエンタル・シンガポールなどの一流ホテルで経験を積む。2003年、フランス料理の普及に多大な貢献をした人物に贈られる『Maitre Cuisinier de France(メートル・キュイジニエ・ドゥ・フランス)』を受賞。2004年11月、コンラッド東京 総料理長として開業準備に参画。4つのレストラン、バー&ラウンジ、宴会・婚礼のキッチンを総括する。
現在、「ザ・ワールド・マスター・シェフ・ソサイエティ」「メートル・キュイジニエ・ドゥ・フランス」といった名だたる料理協会のメンバーとして、食文化の育成に幅広く貢献している。

趣味:世界各地を旅行すること。ハーレーダビッドソンのワールドメンバーでもある。
語学:フランス語、英語、ドイツ語、スペイン語の4ヶ国語が堪能。日本の文化や慣習にも造詣が深い。
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